肥満も、アレルギーも、うつ病も、腸内細菌に関係するの?

500mlのペットボトル3個分の腸内細菌との暮らし

消化不良が、さまざまな病気を引き起こすメカニズムとして、リーキーガット症候群について前回お話させていただきました。

今回は、もう少し腸内に留まって《腸内細菌のお話》を。

私たちの体は、37兆個の細胞で出来ているとよく言いますが、加えて腸内に、1000種類以上・1000兆個・約1.5kgの腸内細菌を持っているそうです。

凄くないですか!?細胞の数より、私たちの体に寄生する微生物の数の方ががるかに多いって!

このブログ表紙が、なぜキリンがということにも繋がるですが、その腸内細菌の種類や数は、3歳までに形成されてしまうようです。

言い換えれば、離乳期に出会った菌で「大人の腸内フローラ」は形成されるといいます。

ですから、自然分娩でお母さんの産道の菌を貰う、母乳で育つ、いろんな人に抱っこしてもらう、家の中を除菌し過ぎない、土遊びをいっぱいして土壌菌を貰う、そして動物園に連れて行く!ことがとても大切になるそうです。

離乳期になる頃には、いろいろな菌が棲みつき、棲み分けが完成するのですね。

現代の暮らしは、脆弱な腸内フローラに

幼少期から繰り返し口にしてきた抗生物質が、実は腸内フローラをその都度焼け野原にし、肥満を助長する節もあり、また小家族化や衛生環境向上によって、幼少期兄弟からもらう菌が激変してしまうなど、現代の暮らしは腸内環境を弱っちくさせているのは確かです。

2017年にこの本に出会って、自分の潰瘍性大腸炎のルーツも、ひとつは幼児期にロタウイルスによる仮性小児コレラにかかった際の《大量の抗生物質》にあると推測しています。

人それぞれどんなルーツがあるにせよ、腸に抱えた腸内細菌メンバーを入れ替えることは無理ですが、バランスを変えることは可能です。
私たちが食べる食品で、細菌はすくすく育ち、その過程で産出される物質で私たちを幸福にさせ記憶させ、同じものを食べさせるように仕向けるそうです。

肥満気味なら、肥満になる食べ物が好物な悪玉菌が、私たちの脳に快楽ホルモンを分泌させて、口に入れさせようとします。

お腹が空いていないのに時間通りに規則正しく食べたり、消化酵素を最もよく使う脂の乗った焼肉ばかり食べると、大活躍悪玉菌が腐敗させて消化不良を起こす、血中に未消化の食べ物が流れ出てアレルギー体質になります。

腸が汚れると、脳の精神を安定させるセロトニン(幸せホルモン)の95%が、作られるはずの腸で分泌できなくなる。腸内細菌は、自閉症やうつ病など心まで操ります。

・・・。

この本の著者の言葉です。

自分の健康のかなりの部分を自分で決めることができる。親からもらった遺伝子や環境因子を変えることはできなくても、自分の腸内フローラを整え、育て、世話をすることができる。何を食べるか、どんな薬を飲むかであなたの微生物群は変化する。あなたが微生物を大切に扱えば、微生物もあなたにお返ししてくれる。これから子どもを産もうと思っているなら、親(特に母親)がその子の腸内フローラを決めるのだと自覚をもとう。

腸を休める、腸内細菌に必要な餌を《継続的に》与える腸活を

腸の肌荒れを起こすような食べ物を選ばないことが大切です。この点については、下記をクリックして、『消化不良を起こす9つの原因』をご覧ください。

そして、腸を休めること。この方法は『正しいファスティング』が最も効果的です。ご興味があれば、下記をクリックしてご覧ください。

発酵食品を意識して摂ることはもちろんですが、残念ながら外から摂取した生きた菌は腸に住みつけません。

腸内細菌に必要な餌を《継続的に》与える生活が大切ですが、今最も注目されているのは、バイオジェニックスという概念です。バイオジェニックスは、腸内フローラを介すことなく多種な働きを体にもたらす食品成分と言われています。

体全体に直接作用することで、腸内の免疫機能を活発化したり、コレステロールや血糖や血圧を安定させたり、活性酸素を減らしたりする可能性が研究・解明されつつあり、バイオジェニックスこそが、生活習慣病や老化の防止に有望だという考え方が広まりつつあります。

それが、グリカン(糖鎖栄養素)であると、私は自分の難病克服の体験からも実感しています。

関連記事